超高精細印刷
FM/AMスクリーニング技術双方の特徴を生かした超高品位印刷
現在最も普及しているAMスクリーンは網点が一定の間隔で規則的に並んでおり、網点の大小で色の濃淡を表現します。
このため、安定した調子再現が得られ、印刷しやすいという長所を持っています。
一方、FMスクリーンは一定の大きさの点をランダムに分布し、その密度によって濃淡を表現。網点の配置が不規則なので、モアレや線切れといった従来網点の問題は解消され、高品位な印刷が可能となります。
しかしながら高度な印刷環境が要求され、また、中間からシャドウ領域の安定性の問題や、ハイライトから中間調でのざらつきなど、印刷表現上の課題があげられていました。
「超高精細スーパーハイビジョン印刷650線」は、FMスクリーンとAMスクリーンの長所を併せ持つハイブリッド方式。2つのスクリーン方式を適宜使い分けることにより、絵柄のあらゆる部分において最適な表現が可能になります。
中間調領域の豊かな発色を再現
「超高精細スーパーハイビジョン印刷650線」では、色を美しく、鮮やかな発色で再現することができます。
パソコンで彩色された画像やモノクロのグレースケール画像なども、作成時のモニターでのイメージに限りなく近い仕上がりが望めます。
モアレの発生を防止
「超高精細スーパーハイビジョン印刷650線」では、網点をFMスクリーンのようにランダムに配置しているため、スクリーン角度の調整は不要です。
したがって、版ズレや絵柄の干渉パターンが生じやすい画像(細かいデジタルスクリーントーン、パターン)であっても、モアレが発生する心配がありません。また、濃い色やブラックが基調のエリアで起こるロゼッタモアレの問題も解消しています。
線切れのないクリアなディテール表現
「超高精細スーパーハイビジョン印刷650線」は、イラストや写真などの細部の再現に優れています。
大きな効果をもたらすイラストを例にとると、ハーフトーンで作成された細線は、175線程度の印刷ではジャギーや線切れを避けるため、従来はその部分に特色を使うケースがほとんどでした。しかし「超高精細スーパーハイビジョン印刷650線」を使えば、網掛線の部分や掛け合わせのチント部も4色でシャープに再現することができます。また、髪の毛やレースなどの細線やディテール表現も、線切れが発生することなくクリアに再現できます。
FM/AMスクリーンのハイブリット網点
「超高精細スーパーハイビジョン印刷650線」はFMスクリーンとAMスクリーン両方のドット構造と配置の長所を利用し、画像の濃淡に応じて網点を使い分け、絵柄のあらゆる部分において最適な表現を行います。
濃度1~10%のハイライト領域と90~99%のシャドウ領域では、FMスクリーンのように一定の大きさの網点を用い、密度を変化させることで階調表現をしています。そして、10~90%の中間領域では、AMスクリーンのように網点の大きさを変えています。
ドットはFMスクリーン同様ランダムに配置されていますので、スクリーン角度で干渉が起こることはありません。 コンピューターから直接印刷版を出力するCTPならではの技術なのです。
ハイライト・シャドウ領域
「超高精細スーパーハイビジョン印刷650線」では、ハイライトとシャドウ領域にFMスクリーンの網点を使用します。
ドットはランダムに配置されており、ドットのサイズを変えることによって階調表現を行います。
ドットの分布はドット同士が重なり合ったり、ドット間に大きな疎密ができないように配置を最適化。この方法で、FMスクリーンの短所とされた粒状性(ざらつき)はコントロールされています。
最小ドットのサイズについては、多大な注意がはらわれています。解像度が2,400dpiの通常の出力機で再現できる最小ドットは約10.5μm(1インチの1/2,400)です。
「超高精細スーパーハイビジョン印刷650線」では、印刷に適するようにハイライト領域の印刷を最適化し、印刷の安定性を確保します。